魔法がかけられたみたいに、少しの間、そこにとどまる。
太陽が沈んだあとの、ごく僅かな瞬間にだけ出会える、この色。
見上げた瞬間、吸い込まれそうになる。
桜の木のしたの二人。温かな空気。
膝をつき、目を凝らし、息をひそめた瞬間、やっと気づく。
夕暮れの静かな時間。あふれるような迫力。
鏡の世界へ、いま、吸い込まれる
溶け込む瞬間
共在する強さと美しさ